誰しもFXする時は儲けることだけを考えがちです。
しかし、FXも投資であるため、儲かる時もあれば損する時もあります。
FXで利益を確保する最善の方法は、損失を最小限に抑えることです。その方法が「損切り」です。
損失を確定する損切り
損切りとは、損失の出ているFXのポジション(持ち高)を処分することです。当然、その時点で損失が確定します。ただし、ポジションを処分するため、それ以上の損失は出ません。
FXで大損する人というのは、得てして『待っていれば、為替が元に戻るかもしれない』という過剰な期待を抱き、結果的にはロスカットが行われて損失が拡大します。
逆指値注文によるストップ注文
FXにおける損切りの手段が「ストップ注文」です。以下のような状態の時に行います。
・予測と違う値動きになっている。
・損失の上限を設定しておきたい。
具体的なストップ注文の方法としては、「逆指値(ぎゃくさしね)注文」を出します。
通常のFX取引においては指値注文と言って、安い価格の指値で買い注文を出し、高い価格になった時に売って利益を出します。
ところが、逆指値注文では、所有しているFXのポジションの価格より安い価格で指値を出し、その価格になったら処分します。つまり、損する注文を出します。
なお、逆指値注文も指値注文同様、注文の有効期限が定められており、それを過ぎると自動的にキャンセルされます。
逆指値注文の方法
FXで行われる逆指値注文の方法を簡易的に説明すると以下になります。
仮に、ドル高を見込んで、1ドル:110円の為替の時に買いポジションを1万ドル所有したとします。その後、逆に為替が円高に進み、1ドル:109円になると、1万円の含み損が出ます。FXのレバレッジが10倍だった場合は10万円の損失です。
これ以上円高が続くと損失が拡大するので、1ドル:108円になったら「売る」という逆指値注文を出します。そして、円がさらに上昇して損失が増加したとしても、108円になった時点で売却処理がなされるため、損失は2万円(20万円)で済みます。これが、ストップ注文です。
スリッページ
指値注文の場合は「価格優先」であるため、指定した価格以外で決済されることはありません。ところが、逆指値注文は「約定優先」とされているため、仮に108円で売り注文を出していたとしても、107円50銭や107円で取引の成立することがあります。
このように、指定価格と約定価格の差における損失をFXでは「スリッページ」と言います。逆指値注文は指値注文と成行注文(約定優先)を掛け合わせた注文方法になっています。